Yoshihiro Katayama, Professor, Keio University
慶応大学の片山善博教授が、「人口減少社会と地方自治」のテーマで話し記者の質問に答えた。
司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信社)
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2014/08/r00027681/
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2014年9月号に掲載)
自立した地方へ 自治体は「自ら考える」姿勢を
日本創成会議の人口減少問題検討分科会が公表し、多くの自治体に衝撃を与えた「消滅可能性都市」。試算自体は「当たらずといえども遠からず」と評しながら、その役目は、政策を思惑通りに進めたい各省庁の「露払い」と分析する。
地方を動揺させ、足元を見て政策を誘導する。今回の手法は、財政破たん危機をちらつかせ、特例債というニンジンをぶら下げた平成の大合併と状況が似ている、という。
「国は合併が地方を救うと言ったが、消滅可能性都市には合併した自治体も多く含まれている。その検証がない」とした上で「詐欺に遭う人は何回でも遭う。自治体は気を付けないといけない」と強烈な警告を発した。
では、人口減少社会に自治体はどう立ち向かうべきなのか。「国から政策をもらい受けるのでなく、自ら考えること」。鳥取県知事当時の経験を引き合いに、エネルギーの自前調達を含む地産地消の推進から、地方議会や教育委員会が機能するための組織変革まで、処方箋は多岐に及んだ。
揮ごうは「常に学ぶ」。自立した地方を担う首長や議会にも通ずる言葉である。
山陽新聞東京支社編集部長
前川 真一郎