都会の若者の独創的なアイデアで地域活性化につなげようと、稲敷市は「地域おこし協力隊」を初めて募集し、代の男女4人を今月採用した。4人は同市に住まいを移し今年誕生した市のマスコットキャラクター「稲敷いなのすけ」を生かしたPR活動や、移住相談員として定住促進事業を展開する。隊員たちは「地域の人たちの声を拾い、何が必要かを考え行動したい」と意気込んでいる。
隊員になったのは、岡田菫(すみれ)さん(24)▽尾花孝治さん(29)▽岸本航(わたる)さん(22)▽高島聖也さん(23)―。
岡田さんは島根県で2年間隊員として従事、産直市の売り上げを2倍にした。小中学生時は土浦市に住んでいた。尾花さんは首都圏で営業職として6年間働きながら専門学校に通い、地域活性化策などを学んだ。岸本さんは高校時代に旧桜川村で暮らし、神奈川県の音楽大を卒業した新社会人。高島さんはイベント運営会社やIT企業で働き、経験を活動に生かす。
同市は少子高齢化などで合併後の10年間で人口が約6千人減った。外部から意欲ある人材を受け入れ、定住促進につながる施策が生まれることを狙った。
4人は人口減少対策室に所属。市内外で産直市を展開し人を呼び込んだり、キャラクターの活動をインターネットで配信したりするという。任期は最大3年。地域の人たちと対話を重ねて課題に取り組む。
1日の委嘱状交付式で、4人は「キャラクターと力を合わせたい」「地域密着の活動をしたい」と宣言。「いなのすけ」と初対面し決意を新たにした。
田口久克市長は「稲敷には他にない宝が眠っている。市の良さを発見し魅力を発信してほしい」と期待を寄せた。