筑波連山南東部の朝日峠(標高298㍍)を土浦市と石岡市側に貫く「朝日トンネル」(土浦市小野~石岡市柴内、延長1784メートル)が12日、開通した。これにより、年間を通して円滑な交通が確保されることになり、周辺地域の振興につながるものと期待される。
朝日トンネルは、片側1車線、幅員9㍍(車道6㍍)。取り付け道路などを含めた全体事業費は約55億円で、2006年度に県の合併市町村幹線道路緊急整備支援事業に指定され、両市が合併特例債を活用して整備した。10年3月に本体工事に着手し、順調に工事が進んだことから、13年3月供用開始予定を4カ月前倒し。県によると、一般道路のトンネルでは、日立市の本山トンネル(942㍍)を抜いて県内最長。
開通により、土浦市小野~石岡市柴内の通過時間が、これまでの峠越えに比べ10~15分短縮され、アクセスが格段に向上。周辺地域の産業活性化、観光振興はもとより、県南地域と県央地域の交流促進が期待される。
この日は、中川清土浦市長、久保田健一郎石岡市長ら関係者をはじめ、来賓の橋本昌知事、衆・参院議員、県議会議員、両市議会議員らが出席し、土浦側のトンネル出入り口(坑口)でテープカットとくす玉割りをして、開通を祝った。
その後、パトカーの先導で通り初めして、石岡市側の県フラワーパークに移動。式典で中川市長は「両市のさらなる発展に大いに貢献してくれると確信している」、久保田市長は「開通効果をより一層高めるため、さまざまな施策を機能させたい」と力を込めた。橋本知事は「開通を地域の発展に結び付けてほしい」と期待した。