姫路市の和食店「四季つづみ 樹(たつき)」(姫路市御国野町国分寺、TEL 079-287-6650)が、姫路市内の福祉作業所などに出向き食事を提供するサービスを8月6日、始めた。
同店店主の小林直樹さんが「自分の店は靴を脱いで上がってもらう座敷なので、来店しにくいという声を聞いた」のがきっかけで、外出の不自由な人に同店の食事をしてもらうにはどうしたらよいか考え、ケータリング形式の出張サービスを思いついたという。同サービスをフェイスブックで呼び掛けたところ、50以上のシェアで拡散され、第1回の訪問先となった福祉作業所「なのはな」(姫路市東延末1)の代表・宮家洋子さんより連絡を受けた。
当日提供したメニューは、すし・吸い物・だし巻き。食事をした同作業所の利用者・夏川裕麗子さんは「とてもおいしかった。ハモと梅肉のすしは食べたことがない」と笑顔を見せた。宮家代表は「うちのモットーは、一日一笑い。楽しそうな企画なので作業所の人たちがみんな笑ってくれるんじゃないかと思って申し込んだ。今日を迎えるまで何度も打ち合わせを重ねる中、思いに共感できた。みんなの笑顔を見るとやってみて良かった」と話す。
店主の小林さんは「料金を考えるときにとても悩んだ。商売なのだから代金をとるべきか迷ったが、飲食店ができる社会貢献の一つとして挑戦してみたかったので、無料とした。食べてくれた人が、楽しい食事に満足してくれたら、もうそれで充分ありがたい。賛同し、一緒に取り組んでくれる飲食店が出てきたらうれしい」と続ける。
今後も「2カ月に1回程度、同サービスを企画していきたい」とも。
【出展】姫路経済新聞
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