朝倉病院事件 / 患者全員に身体拘束、強制IVH、病室で手術 2000年

人権無視の拘束、不必要なIVH中心静脈栄養注射、老人患者40名が不審死。2000年11月のニュース。埼玉県庄和町の精神科・内科病院の朝倉病院事件(朝倉重延院長)
 近隣の患者は入院しておらず、東京からのホームレスの認知症の患者を主に受け入れていた。10~12床の和室の汚れた古い病室で、患者は腰に、犬か猿のようにひもをつけられて壁につながれていた。ベッドの患者はタッチガードなどの拘束具でベッドにくくり付けられていた。

 朝倉病院のある病棟の患者さんの多くは、食事が取れるのに不必要なIVHを受けていた。IVH=中心静脈栄養は大きな動脈に栄養剤を点滴する。不潔な環境では感染症を起こしやすく、清潔と管理が重要で通常精神科ではあまり行われない。
 身体拘束は、法で義務づけられた精神保健指定医の診察によらない、違法な行動制限であった。(指定医は週1〜2回しか来ない)また一般病室で、乳がんの手術がおこなわれたり、不審な死亡がたえなかった。入院患者の八割以上が痴認知症の高齢者だった。

 元職員の告発を受けた県の立ち入り検査で、患者に対する不当な拘束や入院措置が発覚。 改善命令にも従わなかったとして県は3月、全国初の入院制限命令を出した。さらに国と県の調べで診療報酬の不正請求も明らかに。不正請求額は過去5年間で 計1億円を超えるとみられる。
 IVH(中心静脈栄養)療法の乱用やカラ検査などで診療報酬を不正請求したとして、健康保険法に基づく保険医療機関の指定取り消し処 分を受けていた「朝倉病院」(朝倉重延院長)は2001年7月16日、病院の廃止届を提出した。

朝倉病院問題
 https://goo.gl/1mLXSF

 これほどの残虐な事件であるが、病院がつぶれたのは不正請求による保険医療機関の指定取り消しである。人権侵害や刑事責任によるのではない。日本ではなんと精神障害者の命と人権が軽んじられていることか。大和川病院事件でも、箕面ヶ丘事件でも同じだった。

 朝倉重延院長は改築費用のために、患者さんの人権を侵害し多くの命を奪ってきた。ところが驚いたことに、医師免許は剥奪されておらず、現在、朝倉重延医師は立正佼成会附属佼成病院健診センターで消化器外科の医長を経て、サンクリニックに在籍との情報あり。http://www.sunclinic.or.jp/sogo/isisyoukai.html

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