2014年にオーストラリア・ウィーン大学 研究チームが『日本の山村におけるアクティブ・エイジング』をテーマに制作したドキュメンタリーです。
【解説】
日本は、高齢化率が世界で一番高い国である。
人口の約25%は65歳以上で今後さらに高齢化の急速が予測されており、
2050年には高齢者が人口の4割を占めると言われている。
高齢化は日本の地方、特に中山間地域で中心に確実に進んでいる。
多くの場合、地元での就職や通勤が困難な為、若者は都会、特に東京、横浜、大阪、名古屋などへ移る傾向がみられ、
若者は村から離れ、高齢者が残る現状となっている。
最近メディアで話題となっているキーワードの一つに『限界集落』という言葉がある。
それは高齢化率が50%以上の集落を指す。
オーストラリア・ウィーン大学 研究チームは1年間 『日本の山村におけるアクティブ・エイジング』をテーマに、2人の研究員が秋と夏、
計4か月間長野県南相木村と北相木村、そして山梨県小菅村に滞在し、現地調査を行った。
3つの山村は、日本アルプス地域に位置し、それぞれ東京から車で約3時間の距離にある。人口は700人から1100人で、高齢化率は高く、
特に小菅村では人口のほぼ半数が65歳以上である。
冬が厳しいため、冬期には都会に住んでいる子供の住宅に移る高齢者もいる。
研究プロジェクトの目的はこれからの山村に暮らす高齢者の日常、特にアクティブ・エイジングの実態、現状を調べることであった。
研究員は行政、福祉、大学教授等の専門家へインタビュー、さらに現地の村民との交流を通して調査を行った。
調査内容は高齢者の活動、移動性(モビリティー)、健康状態、交流、高齢者対象のサービスの利用、子供や村民からの支援、また日常生活の喜びや不満など、主に32人の高齢者へのインタビューを中心としたフィールドワークが元となっている。このドキュメンタリーはその中でも特に2人、西沢しま子と菊池源市に焦点を当てている。