吹き抜ける風が橋をゆっくり揺らすと、にぎやかだった子供たちの口数が少なくなった。昨年12月に誕生した静岡県三島市の「箱根西麓・三島大吊橋」(愛称・三島スカイウォーク)。歩行者専用のつり橋として日本一の全長400メートルを誇り、橋上からは標高が最も高い富士山と、一番深い湾・駿河湾が一望できる。一度に3つの日本一を堪能できるスポットだ。
三島市で娯楽施設や飲食店などを経営するフジコーが、地域の活性化を図ろうと平成24年から総工費約40億円で建設。三島市も「観光の目玉のひとつに」(商工観光課)と期待を寄せ、来年度の観光客は平成26年度を82万人上回る700万人と見込んでいる。
歩行者専用のつり橋としては最長だった大分県九重町の「九重〝夢〟大吊橋」より10メートル長く、地上からの高さは70.6メートル。歩道の幅は1.6メートルで車いすもすれ違える。「揺れるつり橋」にこだわり安全に揺れを体感できるよう設計した。実際の揺れは穏やかな海を船で漂っているようだった。