地方創生へ向けた取り組みが本格化する中、常陽銀行(本店水戸市、寺門一義頭取)は27日、国の人口減少対策「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を受けた県内市町村の地方版総合戦略などの策定支援を本格化させた。水戸市内で同日、初の研究会を26市町村の担当者39人を集めて実施した。10月までに、研究会とセミナー、調査の3事業を展開し、策定に必要なノウハウや情報を市町村に提供していく方針。
国は「まち・ひと・しごと創生」を推進し、昨年末、政府が「長期ビジョン」と「総合戦略」を閣議決定した。これを受けて、都道府県や市町村も2015年度中の「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」の策定を求められる。
各市町村は、創生本部などの設置を進めているが、策定方法などをめぐり不安を抱える自治体も多いとみられている。
常陽銀行の支援事業は、策定のノウハウや人口動向などの関連データを提供するとともに、市町村の地方創生担当者によるネットワークづくりを図るのが狙い。
研究会は、希望する市町村を対象に10月まで計6回開き、ワークショップ形式で施策づくりやデータ活用などのノウハウを研修する。セミナーは4~7月にかけて、全市町村を対象に空き家対策や都市再生などをテーマに計4回開催する。併せて、複数の市町村共同のアンケートを実施していく。
第1回研究会で、同行の薗部浩重常務執行役員は「常陽銀行グループを挙げて、データや資料を余すことなく提供し、より良い戦略策定をお手伝いしていく」とあいさつ。
ワークショップで各市町村の担当者らは、8グループに分かれて意見交換した。
今後、各市町村の担当者は研究会やセミナーで得た情報やデータを持ち帰り、月ごろをめどに戦略策定を目指す。同行地域協創部は「戦略策定では、まちづくりのストーリーをいかに練るかが重要。そのヒントを持ち帰ってもらいたい」と意気込んでいる。